| 私の研究の主たる興味は、地質記録を解析し、過去の地球環境変動を復元する事を通じて、気候・環境変動のダイナミックスおよびその安定化メカニズムを理解する事にあります。それは、人為的な地球環境危機を目前にして、今こそ人類は地球の歴史に学ぶ必要があると考えるからです。例えば、地球温暖化が近未来の気候・環境に及ぼす影響を適切に評価する上で、過去の環境変動の復元は重要な情報を与えてくれます。こうして得られた過去の変動の原因を正しく理解するためには、モデルを作り、シミュレーションにより検証する事が重要です。私は、特に気候安定性とその維持メカニズムに興味を持っています。そして、最終氷期に数百年〜数千年周期で繰り返した気候変動が、どのような条件で増幅、伝播されるかを明らかにし、同様な変動が近未来に起こる可能性を評価したいと考えています。
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図:グリーンランド氷床から得られた古気候記録は、人類が文明を開花させた過去1万年間(=後氷期)が、過去15万年の中では例外的に安定な気候期だった事、一方、今から8万〜2万年前にかけての氷期(北半球が厚い氷床に覆われた時代)には、数百〜数千年スケールで急激な気候変動が繰り返した事、一つ前の間氷期(約12万年前)にも急激な気候変動が繰り返した可能性がある事を示した。 |